記者を経験した上でフリーライターとして独立する5つのメリット

2019年6月9日

ぼくはタウン紙と新聞社で記者を7年務めた後に独立しました。

記者経験を経た上でフリーライターとして独立するメリットを紹介するので、参考にしてみてください。


独立1年目でも仕事をとりやすくなる

「過去に記者をしていたんなら、大丈夫じゃないか」

独立1年目にブログ経由で問い合わせてくれた経営者がぼくに目をつけた理由について、こう話していました。

企業がライターを探すときに見る主なポイントは、専門性という観点を除くと、

① フリーライターとしての実績が豊富か
② 独立したてでも過去に取材して記事を書く経験を積んでいるか

ではないでしょうか。その後に、メールでの対応や会ったときの印象が続くのだと思う。

仕事をとりやすくなると書きましたが、正しくは「記者経験のあるフリーライターはブログとSNSを運営して情報を発信することで、問い合わせを得やすくなる」です。

対面したときに企業がそのライターをどう思うかは、ライター個人の外見や声、表情、うかがえる性格が影響するので、それらを含めた上で企業側のニーズとマッチするようであれば成約するでしょう

ライターが発信するネット情報に対して編集者がどんなところを見ているかについては、こちらに書きました。

ブログを簡単に早く書く方法 ツイッターを使うとライティング時間は半減

(タイトルがマッチしていないと思うかもしれませんが、記事の中で触れています)

取材スキルが高まる

予定された時間内で必要かつ魅力的な情報を引き出し、取材対象者に「取材を受けて良かった、楽しかった」と思ってもらうことが「取材スキル」だとぼくは考えます。

記者経験を積むことでこれらの技術、特に前半部分については高まります。

なぜかと言うと、自分の記事が非常に厳しくチェックされるからです。

出版社や新聞社には記者の記事を読み、紙面に掲載する文章に整えるデスクがいます。

新聞社では、記者を経験した後、およそ40歳前後でデスクになります。

ぼくたちが目にする雑誌や新聞の記事は記者の書いたものがそのまま載ることは少なくて、多くの場合にデスクが手を入れています。

ほとんどデスクが書き直した記事もあります。

記事を読んだデスクは記者に問い合わせます。

「これどういう意味?」「これは聞いた?」「え、なんで聞いとらんの? 大事なとこやろ」「はよ聞いて来て」

電話を叩き切る音。

(かなり柔らかく書きました。当時を思い出して心拍が上がってきた)

こんな風に、ときにあっさりと、ときにねちねちねちねち、ねちゃねちゃねちゃねちゃと聞かれるわけです。

でも、こうした“詰め”のおかげで、記事を書くときに必要な情報をイメージできるようになり、取材対象者の返答に対して新たな疑問が生まれるまでの速度も上がります。

結果、取材のテンポが良くなる。

記者経験がなくていきなりフリーライターとして独立した場合、こうした厳しい指導者がいないケースが往々にして起こり得ます

クライアントからすれば、外部の人間を手間をかけて育てる必要はなく、すぐに切ってしまえばいいから。

企業の中にはフリーランスを育てようという意識のある稀有で優しい会社もあります(ぼくのクライアントにもいる)が、その存在を期待しない方がいい。

フリーになって思うのは、厳しい指摘や意見を受ける機会って、会社員時代よりも圧倒的に減るんですね(会社員時代にボロクソに言われるというのもあるけど)。

ぼくはときどきクライアントに、自分の仕事ぶりを率直に言ってほしいと尋ねることがありますが、やっぱり多くは自分で内省するしかない。

そんなときに記者経験があると、数々のデスクの叱責を思い出せますから、取材や書いた文章に対してどこが良くてそうではなかったか、自分なりの“当たり”をつけられるわけです。

こうしたイマジネーションが働くかどうかはとても大きいと思う。

ライティングスキルが高まる

文章を書いて、見る目のある人に添削してもらう。

この過程をたくさん繰り返していけば、人によってスピードと幅は違うにしても、文章はうまくなります。

先述のように出版社や新聞社には厳しいデスクがいるので、成長速度が上がります。

自分の記事がどんな風に修正されたかを毎日見るわけですから、自分の心の中にも少しづつデスク的な存在が生まれ、記事を客観視できるようになる。

特に新聞は、小学生が読んでもわかる文章をテーマに掲げていて、紙幅が限られる中でいかにして内容をうまく伝えるかに腐心します。

「読みやすくわかりやすい文章」を書くための練習を効率的に重ねられるわけですね。

余談ですが、タウン紙の記者時代に作家の川上弘美さんと高橋源一郎さんの対談を取材したことがあって、その中で川上さんは「いざ書くにしても最初は文章の書き方がわからなかった。新聞を参考にしながら書く練習をした」と話していました。

印象深かった。

“組織人”としての倫理観が養われる

フリーランスになって1年9ヵ月。これは非常に大切だと感じています。

〇メールへの返信をなるべく早くする
〇取材を終えた後に一報を入れるなど「報連相」が抜かりない
〇相手のポジションを考えながら話を聞いて、意見を伝える
〇締め切りを守る

これらはクライアントと長く仕事をしていくために欠かせないことだと思います。

会社員には、上司と部下がいて、そのような社員との関係性の中で自分があります。上への目、下からの目、クライアントに対する立ち位置。自分の役割。

たとえばメールの返信について。

先約が入っていて依頼を断らないといけないときはより即レスを心がけています。

そうしないと編集者や手配役の人の次のアクションが遅くなってしまい、全体の進行に影響しかねないからです。

考えればわかることですが、組織人を経験しているとこのあたりのことをよりリアルに想像できるのではないでしょうか。

返信が早いだけで仕事がとりやすくなった経験もあります。

興味のある取材分野を見つけられる

かなり大きかった。「これだ!」と思う取材分野を見つけられてぼくは幸せです。

好き嫌いがはっきりしているぼくにとっては特にそうだった。

タウン紙時代にも取材の幅は広かったんですが、正直言うと、ハマるものはなかった。

ただ、取材する行為、記事を書く行為、取材対象者や読者から「ありがとう」と言われることが好きで、新聞社に入りました。

そこで難病の患者たちと出会ったことでガツン! と衝撃を受けて、医療取材が好きになったのです。

独立してからほとんど医療に関する取材しかしていませんが、まだ飽きていません。

医師を300人取材したら、「医者を300人取材したライターが書く医療のこと」のような特化ブログを立ち上げるなど、専門的な取材経験を生かした展望も描いています。

自分がどんなことに興味を持つか、または持ち続けられそうかは、取材して記事を書いてみないとわかりません

なぜなら、取材する業界の特徴、取材対象者の人間的な傾向、事前準備の量、取材するスタイル、書く文体の傾向などはある程度その分野を取材しないと見えてこないからです。

これらを把握することで、よりそれらの取材をするのが好きになることもあれば、逆に好きそうだと思っていたのに実際はそうならなかった、ということもあり得る。

もちろん、独立してからいろんな取材をして、その中でライターとしての自分の方向性を見つけていくのもアリだと思う。

けど、会社員記者としてお金をもらいながら「これだ!」を見つけて独立、の方がいろいろとラクなんじゃないかな。

実際にぼくは2年目から人力での営業をしていませんが、それで食えてるし。年間で本を70冊読み、映画を70本見て、マンガを120冊読みたいのでそんなに稼いでいないけど。

 


 

じゃあ、どうやって記者になるのよ?

会社にこだわらず、記者やライターになることだけを最優先すれば難しくありません。気が向いたらまた書きます。

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