2017年下半期に読んで面白かったおすすめ小説ベスト5

2019年8月7日

2017年の7月から12月に読んだ本は40冊。その中から特に面白かった小説を5作品紹介します。

やっぱり、5本に絞るのは難しいですね。

読んだ後に感じた面白さがたとえ同程度でも、最近に読んだものの方が印象が鮮明だから挙げやすい。

毎月のツイートまとめ記事を投稿しつつ、「笑える小説」「泣ける小説」みたいにカテゴライズしてこれからは投稿しようかな。要検討。

悩みましたが、結果は以下の通りです。


『おそろし』/宮部みゆき

時代小説×ホラー×ミステリー×ファンタジー 宮部作品の魅力が凝縮

宮部みゆきさんの小説を読んだのは10年ぶりくらいでしたが、とても面白かったです。

時代小説をベースにホラーとミステリーとファンタジーが合わさっているようなつくりで、宮部作品の魅力が凝縮されていると思いました。

文章は圧倒的に読み心地が良く、細部まで心配りがなされています。ため息が出るほどに心理描写も巧み。これぞ熟練、という感じですね。

もちろん、物語も楽しめます。先が気になる構成になっているのでページを繰る手が止まりませんでした。

17歳のおちかは、実家で起きたある事件をきっかけに心を閉ざした。今は江戸で袋物屋・三島屋を営む叔父夫婦の元で暮らしている。三島屋を訪れる人々の不思議話が、おちかの心を溶かし始める。百物語、開幕!-アマゾンより引用

 

『ガダラの豚』/中島らも

超絶したエンターテイメント小説 人物と会話がいい

中島らもさんの小説を読んだのは初めてだったんですが、面白かったです。優れたエンターテイメント小説として楽しめます。

日本とアフリカを舞台に、超能力とマジック、呪術、バトル、そしてたまにエロを交えながら軽快に話が進んでいきます。

人物もとってもユニーク。人物が良くて会話が軽妙なのは、ぼくの好きな奥田英朗さんの作風と似ていますね。

いい作家と出会うことができました。

アフリカにおける呪術医の研究でみごとな業績を示す民族学学者・大生部多一郎はテレビの人気タレント教授。彼の著書「呪術パワー・念で殺す」は超能力ブームにのってベストセラーになった。

8年前に調査地の東アフリカで長女の志織が気球から落ちて死んで以来、大生部はアル中に。妻の逸美は神経を病み、奇跡が売りの新興宗教にのめり込む。大生部は奇術師のミラクルと共に逸美の奪還を企てるが…。

超能力・占い・宗教。現代の闇を抉る物語。まじりけなしの大エンターテイメント。日本推理作家協会賞受賞作。 ―アマゾンより引用

 

『谷崎潤一郎犯罪小説集』/谷崎潤一郎

悪とエロの饗宴 編者に感謝したいほどの面白さ

エロチシズムやマゾヒズムをテーマにした作品が多い谷崎潤一郎ですが、犯罪小説家としても傑出しています。

谷崎の艶めかしい文章に悪のテイストが非常によく合うんです。

犯罪小説に絞って4作品が収載されているんですが、どれも面白い。短編って自分に合うもの合わないものの双方あることが多いんですが、この短編集に関して言えばすべて面白い。

どの作品をどの順に載せるかといった構成の点でも優れています。

3作目までがどれも30ページ前後で、ラストが100ページほど。タンタンタンと推進力を得て、ターンと最後に飛翔するイメージ。そして、推理小説だけに最後は急速落下する。

編集者に感謝の気持ちを抱いたのは初めてかもしれません。

仏陀の死せる夜、デイアナの死する時、ネプチューンの北に一片の鱗あり…。偶然手にした不思議な暗号文を解読した園村。

殺人事件が必ず起こると、彼は友人・高橋に断言する。そして、その現場に立ち会おうと誘うのだが…。

懐かしき大正の東京を舞台に、禍々しき精神の歪みを描き出した「白昼鬼語」など、日本における犯罪小説の原点となる、知る人ぞ知る秀作4編を収録。―アマゾンより引用

 

『漁港の肉子ちゃん』/西加奈子

笑えて泣ける、優しい小説です

ラスト30ページ。泣きながらむさぼり読みました。

素晴らしいです。

西さんは、人が周囲との関わりの中で生き、成長していく姿を書いています。

相変わらず人物が魅力的で、人間や自然への眼差しが優しく、読んでいてキュンキュンしてしまう。

笑えて泣ける、そんな小説です。

男にだまされた母・肉子ちゃんと一緒に、流れ着いた北の町。肉子ちゃんは漁港の焼肉屋で働いている。太っていて不細工で、明るいー。

キクりんは、そんなお母さんが最近少し恥ずかしい。ちゃんとした大人なんて一人もいない。それでもみんな生きている。

港町に生きる肉子ちゃん母娘と人々の息づかいを活き活きと描き、そっと勇気をくれる傑作。 ーアマゾンより引用

 

『白痴』/ドフトエフスキー

長旅を終えて味わう 大作を読んだ満足感

ドフトエフスキーの小説を読めば、人間の不可解さを感じられます。

小説はどうしても構成上、人物に一定の型がはめられがちですが、ドフトエフスキー作品の場合、人物が簡単に類型化できない。

一行先では全く違うことを考えているから。

この人物は一体どんな人間なんだ? と読者は戸惑うんですが、でもそれって、とっても人間っぽいですよね。

人間とは何かを考えたいなら、ドフトエフスキーの小説はお勧めです。

中でも『白痴』はドフトエフスキーの長編の中でも読みやすく、面白みを感じやすい作品ではないでしょうか。

約400ページが3冊あるので長旅にはなりますが、読み終えた時はとてもいい小説を読んだ、という満足感が生まれました。

初冬のペテルブルグに姿を現した外国帰りの青年ムィシキン公爵。莫大な遺産を相続した彼をめぐり、高慢な美女ナスターシヤ、誇り高き令嬢アグラーヤ、血気盛んな商人ロゴージンなどが織りなす人間模様。

ドストエフスキー五大長篇中もっともロマンとサスペンスに満ちた傑作、新訳決定版。―アマゾンより引用

2017年に読んだ本の一覧はこちら

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